2010-06-27 09:26:38雪子

アラフォー(around 40)

 

この言葉がいつごろから流行りだしたのか、私はよく知りません。今回日本に帰ってみると、午前中NHKの奥様向け番組では、アラフォー世代のセックスレスについての特集番組が組まれ、当該世代の女性芸能人が出演してあれこれコメントしたり、新聞では、45歳の女優が30代後半に子宮の手術をし、それ以降セックスレスになっていると証言する記事が掲載されていました。女性誌でも、アラフォー世代の女性のセックス事情などが特集されていました。前回帰国したときにはこの現象に気づかなかったので、ここ数日、アラフォー女性関係の報道を見ると気になってしまうのです。

私の印象では、アラフォー世代の女性が「いつまでも女としてみられたい」「いつまでも綺麗でいたい」「いつまでもセクシーでいたい」ともがいている様子が強調されています(あくまでも第一印象ですが)。そして、コメンテーターや代表例として40代はじめの美しさを保つために懸命に努力している芸能人が登場し、日ごろどんな努力をしているか公開します。

私はこういう論調に違和感を持っています。というのは、人のありかたってもっと多様だし、セックスに対する欲求もメディアがいうよりももっともっと多様なんじゃないかなと思うからです。アラフォー女性がばっちりお化粧して、鍛えて20代の体型を維持し、お金をかけてセクシーな洋服を着たからといって、それで夫や他の異性と豊かなセックスライフが送れる(逆にそうしなければ豊かなセックスライフを望んではいけない)とやたらに宣伝するのはいかがなものかと思います。好きでもない人から性的対象として眺められるのなんて真っ平ごめんと思っている人だっているでしょう(私はそうです。ほっといてほしい)。アラフォー女性が血眼になって努力している姿勢を好ましいと思う人もいるでしょうが、20代女性と張り合おうとしている姿は見苦しいと感じる場合もあります。若く見えることに命をかけている40代女性を見ると、結局この人は「若さ=美しさ=価値がある」、「中年=無価値」という一般の図式を内面化しているということがありありと伝わってくる感じがして、息苦しさを感じます。私は、「それって自己否定じゃないのかな?」と思ってしまいます。もっと40代の自分にふさわしい、若い人とは違った美しさを求めても良いんじゃないかな?と思うのです。

セクシュアリティについても、人の好みっていうのは、本当はもっと多様ではないかなと思います。若い子が好きな人もいれば、熟女に惹かれる人もいるでしょうし、同性にしか興味がない人もいれば、太った人にだけ欲情する人もいるのではないでしょうか。特別に美人でもない中年女性で、充実したセックスライフを持っている人もいるし、傍目からは美しくても満たされていない人もいると思います。セックス以外でも、満たされた生活を送るための成功の図式なんて、本当は存在しないんじゃないかと思います。むしろ、メディアが流布しているような成功の図式にとらわれていると、自分が満足できる生活を手にいれられないのではないかと思うのです。もちろん、いつまでも周囲の人から「綺麗だね」と言われたら嬉しいし、好きな洋服を着たり、きちんとお化粧することは生活を豊かにしてくれるから、悪いことではありません。でも、中年女性の努力の方向を限定するようなメディアの論調は、おかしいなと思います。自分に本当に合う人を探して(実はこれがダイエットをしたり化粧をしたりするより難しいかもしれないと私は思います)、その人たちと楽しくすごしたらいいと思うのです。それはメディアが提示する理想の中年女性像を再現するよりも、もっと難しいかもしれませんが、そのほうが楽しいと思います。

<参考>

アラフォーについて:

http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/abc/newword/080415_46th/index.html

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