2011-10-11 10:00:00Akizora

「お疲れ様です」と「ご苦労様です」の使い分けは?

「お疲れ様です」には大きく2種類の用法が認められます。ひとつは(1)他人が何らかの労働や作業に従事したのを労う用法です。もうひとつは(2)共同で労働や作業を行った人同士が互いを労う用法です。

2種類 にしゅるい  認められる みとめられる  労働 ろうどう  作業 さぎょう

従事 じゅじ   労う ねぎらう  共同 きょうどう  互い たがい
  (1)「お父さん、今日も一日お仕事お疲れ様でした」
  (2)「じゃ、どうもお疲れ様です」「あ、お疲れ様」

 「ご苦労様です」は自分に対して直接・間接的に益をもたらす労働や作業に従事した人を労うときに用いられます。

直接 ちょくせつ  間接 かんせつ  益 えき  用いられる もちいられる

  「ご注文の品をお届けに上がりました」「どうもご苦労様です」

 どちらも労いの言葉ではありますが、「お疲れ様です」が比較的身分に中立的に用いられるのに対して、「ご苦労様です」は「奉仕」というニュアンスが伴って、目上から目下に対して用いられる傾向が強くなっています。特に会社などではこれを目上に対して用いないことがマナーとして確立しているようです。

身分 みぶん  中立 ちゅうりつ  伴う ともなう  確立 かくりつ

 「疲れ」も「苦労」も類似した言葉ですが、「お疲れ様」「ご苦労様」と表現が固定して慣用的に用いられるようになり、本来の意味に別のニュアンスが伴うようになったと考えられます。

類似 るいじ  固定 こてい  慣用 かんよう  

ALCにより