2009-12-21 22:43:29Akizora

来年半ば中台経済協定へ、22日トップ会談

【台中(台湾中部)=源一秀】中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会の陳雲林会長は21日、台湾の台中に到着し、5日間の台湾訪問を開始した。

22日には台湾側の窓口機関、海峡交流基金会の江丙坤理事長と会談し、来年半ばに中台経済協力枠組み協定(ECFA)の締結を目指すことで一致する見通しだ。

ECFAが発効すれば、中台間で人、モノ、金の流れが原則的に自由化され、経済統合が進むことになる。

会談では、食の安全を確保するため、農産物貿易の検疫体制を強化することや、工業規格・認証業務の標準化に向けた協力なども合意する予定だ。

江理事長によると、ECFAは関税を削減・撤廃する自由貿易協定(FTA)を柱とし、投資の自由化や、知的財産権の保護なども定める。全体の自由化完了には「10年ほどかかる」(台湾当局者)見通しだが、一部品目の関税は前倒しで削減・撤廃する。台湾側の推計では、ECFA発効で台湾の実質成長率は1・65~1・72%押し上げられ、26万人前後の雇用創出効果が見込めるという。

ただ台湾住民には、ECFAで安価な中国製品が流入する一方、台湾メーカーの中国移転が加速して空洞化を招き、雇用環境が悪化するとの危機感も根強い。中台の経済統合が進み、台湾経済の中国依存度が高まることで、中国側に政治対話の主導権を握られるとの不安も高まっている。

ECFAは対中融和派の馬英九政権になって具体的に動き出したが、今後の立法院(国会)の審議などで、野党・民進党や世論が発効に強く反対することも予想される。

                          2009年12月21日読売新聞により