2009-11-08 16:02:06古皮之紅龜粿
庶民の味-牛肉麺 - 歴史が生んだ台湾名物
* 庶民の味-牛肉麺 - 歴史が生んだ台湾名物 <2009-09-15>
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歴史が生んだ台湾名物 |
文/古佳峻 写真/視野国際 回族に千年伝わるという牛肉麺は、中国の様々な地区、さらには西洋式の調理法までもが入り混じり、独特な風味のオリジナル料理となった。 農作業のパートナーである牛に感謝し、台湾では牛肉を食べる習慣がなかったが、1949年国民党政府の台湾遷都と共に、種々の牛肉料理が普及を始めた。各地の味が混在する牛肉麺もこうして誕生したのである。牛肉麺は多くのファンを獲得し進化を続けて来たため、今では「百家争鳴」の感さえある。調理法は大きく清燉(コンソメ)と紅焼(ホットなしょうゆ味)に分けられるが、他にも料理人と客の好みによって、トマト牛肉麺、沙茶(バーベキューソース)牛肉麺、赤ワイン牛肉麺、トマトチーズ牛肉麺などがある。麺は、太くてコシが強いもの、細く滑らかなもの、牛肉も、牛腩(バラ肉)、牛雑(ゾウモツ)、牛腱(すね肉)、牛筋(すじ)が使われる。しかし何といっても、牛肉麺の醍醐味は、秘伝の食材を煮込み、牛肉の旨みを徹底的に引き出したスープにある。
赤いスープの紅焼牛肉麺 紅焼(ホンサオ)は中華料理の調理法の一つ。もともとはしょう油、トウバンジャン等の色の濃い調味料で煮込んだ肉類のことを指していた。紅焼された肉は軟らかく艶やかで、スープは濃厚。色々な調味料の変化に富んだ味を楽しめる。紅焼牛肉麺は、脂がきらめくパワフルな外観と滋味豊かなスープ、滑らかな麺が特徴。スパイスと調味料の違いで、各店が味を競う。 「川味(四川風)牛肉麺」と形容されることが多いが、実は牛肉麺は正真正銘の台湾料理。ただ、そのしっかりした味と辛味を表現するため、四川の名が冠されている。作り方は、ネギ、ショウガ、ニンニク、赤トウガラシを強火で手早く炒め、スパイスの香りを引き出す。牛肉を加えた後に、適量のトウバンジャン、しょう油を加え、八角、クミン、ナツメグ、サンショウで肉の臭みを消し香りを調え、数時間煮込み、最後に砂糖と酢を加える。紅焼牛肉麺のスープの色と味は、トウバンジャンとしょう油の量で決まるが、台湾南部は、しょう油味を主とし、深い色の澄んだスープで、牛肉そのものの味としょう油の香りを味わえる。一方、北部は、トウバンジャンを多目に加え、甘味と辛味のハーモニーがお互いの味を引き立てている。
ショウガ風味のシンプルな味は清燉牛肉麺 台湾牛肉麺の西の横綱は清燉(チンテン)牛肉麺は、新鮮な材料と少量の調味料で、食材自体の味わいを大切にする。その作り方は至ってシンプル。牛腩と牛雑を湯掻いて取り出し、大根、ネギ、ショウガを加える。先ずは、強火で沸騰させ、牛肉が十分にスープを吸い込み、スープの中で自然の甘味を解き放つまで、弱火でゆっくりと煮込む。牛肉を味わう時には、酢、ゴマ油、または店特製のトウバンジャンを加えてもおいしく、さっぱりとしたまろやかな味がより際立つ。
トマト・チーズ・赤ワインの邂逅 2005年に始まった「台北国際牛肉麺カーニバル」は、台湾北部の牛肉麺盟主の座を巡り熾烈な戦いを巻き起こしたが、同時に産業界、政府、学術界が手を携えて食文化の新たな象徴を作り上げるきっかけになった。西洋式冷麺、日本式スープ、インドカレー等の多様な手法が試みられ、ワインによく合う赤ワイン煮込みの牛肉とパスタ、グラスに盛られた、夏にぴったりな冷麺と牛肉のスライスも登場した。トマトチーズ牛肉麺は、生クリームとチーズに、牛骨とトマトで煮込んだスープを合わせたもの。トマトに含まれるトマトリコピンは抗酸化物質として老化防止に効果があり、塩と調味料の使用量が少なく、調理が簡単なトマト牛肉麺は、台湾の牛肉麺ファミリーにあって、ヘルシートレンドのリーダー格だ。
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