2010-06-14 21:01:23pochi

Beggars in Spain 的話題



ベガーズ・イン・スペイン

 

ナンシー・クレスの ベガーズ・イン・スペインを読みました。(もちろん日本語訳で)短編集なのですが、文庫本の題にもなっているこの標題の話が面白かったです。話のスジ自体は、ネタバレなのでここには記載しませんが、短編の題になっているベガーズ・イン・スペインというのは、読んで字のごとく、Beggars in Spain で、スペインの乞食のことです。スペインに乞食が多いというわけではありません。ナンシー・クレスの書く世界では、スペインは乞食が多い?ということになっています。

 前置きが長くなりましたが、スペインは関係ありません。

 この標題の逸話に、として次のような主旨の会話があります。

 街で一人の乞食に、小金を恵んでくれ、と言われたら、まあ、あげてもいいでしょう。街で数人の乞食にそう言われたら、可哀そうに思ったら、やはりあげるでしょう。でも、十人、百人の乞食に言われても、現実的にはあげるのは無理でしょう。でも、乞食の側は、一人二人にあげられるのに、どうして我々には貰えないのか、と、取り囲まれて、身ぐるみ剥がれるでしょう。というものです。

ある意味正論で、気持と気持ちのすれ違いの、怖い話だと思いましたので、ちょっと書いてみました。安易な同情がいけないのか?あるいはどこかが間違っているのか。でも、普段の生活に置き換えてみれば、よく見かける話のような気もしますね。