2007-09-05 21:39:17╚♡ 我の最愛╝

秋の愁嘆

あゝ、秋が来た
眼に琺瑯(はふらう)の涙沁む。
あゝ、秋が来た
胸に舞踏の終わらぬうちに
もうまた秋が、おぢやつたおぢやつた。
野辺を 野辺を 畑を 町を
人達を蹂躪(じうりん)に秋がおぢやつた。

その着る着物は寒冷紗(かんれいしや)
両手の先には 軽く冷い銀の玉
薄い横皺(よこじわ)平らなお顔で
笑へば籾殻(もみがら)かしやかしやと、
へちまのやうにかすかすの
悪魔の伯父さん、おぢやつたおぢやつた。

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