2010-09-22 21:33:07Akizora

為什麼襪子日文叫做「靴下」

「くつした」は確かに靴の中にはくものです。ではなぜ「くつなか」や「くつうち」ではなく「くつした」なのでしょうか。

 一般に衣類は素肌に近い方が「中」あるいは「内」で、その反対は「外」という感覚があります。たとえば、コートのことを日本語で「外套」といいます。これは身体のもっとも外側に羽織るからでしょう。ジャケットなどについているポケットでも、普通のポケットに対して素肌に近い方は「内ポケット」あるいは「内隠(うちかくし)」などといいます。

 しかし、衣服と肌の相対的な位置を表すには「内/外」や「中/外」のほかに、「上/下」という言い方も存在します。たとえば「下着」というのは下半身に着るものという意味ではなく、素肌に直接着るという意味で「下着」と言います。「上着」も上半身に着る服という意味のほかに、下着と反対の意味で用いる場合があります。

 また、着物を着るとき肌着に直接巻く帯は「下帯」、もっとも外側にしめる帯は「上帯」と言います。

 このように、「上/下」と言っても、地面から垂直方向に見た位置関係とは限りません。ここで見たように、衣服について言う場合は、身体あるいは素肌から垂直に「上」であるか、「下」であるかということが問題になります。

 したがって、「靴下」の場合は、足から垂直に見て靴よりは下、という意味で「靴下」という言い方になるわけです。その場合、なぜ「足上」と言わないのかという点が疑問になるかもしれませんが、「上/下」というときは、あくまでも身に着けるもの同士の相対的な上下が問題となるため、足ではなく靴を基準にするわけです。

                       ALCにより