2009-12-25 18:49:11Akizora

「は」和「が」

「が」(現象文)と「は」(説明文)

主語「が」で表された文は事実・現象文と言われます。一方、「は」の機能は話題提示で、話者が相手に説明したいことを取り立てて、説明文を作ります。わかりやすい例を挙げましょう。
   桜がきれいですね。  (眼前の事実や現象を見たまま感じたままに描写する文)
   → ええ、ほんとうに。
   日本の桜はどうですか。
   → 日本の桜はとてもきれいですよ。(「日本の桜」についての説明を加える文)

 「?は」で取り立てた文は、「(主題)は+説明」となりますが、「は」は主語以外の文のいろいろな要素につくことができます。つまり、一つの「が」事実文からたくさんの「は」説明文が生まれます。
 その際注意しなければならないのは、「が/を」は「は」に変わりますが、その他の格助詞「に/と/で/から/まで/へ」は、「+は(例:には/とは…)」の形になることです。

< 事実・現象文 >
   昨日、新宿で私が父にプレゼントを買った。

< 説明・解説文 >
  →私は、昨日新宿で父にプレゼントを買った。 (主語の取り立て)
  →プレゼントは、昨日新宿で私が父に買った。 (直接目的語の取り立て)
  →昨日は、新宿で私が父にプレゼントを買った。(時の取り立て)
  →新宿では、昨日私が父にプレゼントを買った。(場所の取り立て)
  →父には、昨日新宿で私がプレゼントを買った。(間接目的語の取り立て)
 一般に、眼前の現象を描写したり、相手が知らない未知の情報を伝えたり、相手に新しい内容を提示するときは「主語+が」となります。

 (眼前の現象描写)
   ほら見て。富士山が見えるわ。
   
 (相手に新提示する内容) 
   誰も行ける人がいなければ、私が行きます。

現象文の会話例
A :今夜は、星がきれいだねえ。
B :ええ、ほんとう。ほら、あそこに北極星が光っているわ。

 会話や文章などでは、読者が知らない事実をまず「が」で知らせ、その後は「は」で説明に入るのが原則で、これを未知情報の「が」、既知情報の「は」という学者がいます。

 

                                  日本語駆けこみ寺により