「は」和「が」
「が」(現象文)と「は」(説明文)
主語「が」で表された文は事実・現象文と言われます。一方、「は」の機能は話題提示で、話者が相手に説明したいことを取り立てて、説明文を作ります。わかりやすい例を挙げましょう。
桜がきれいですね。 (眼前の事実や現象を見たまま感じたままに描写する文)
→ ええ、ほんとうに。
日本の桜はどうですか。
→ 日本の桜はとてもきれいですよ。(「日本の桜」についての説明を加える文)
「?は」で取り立てた文は、「(主題)は+説明」となりますが、「は」は主語以外の文のいろいろな要素につくことができます。つまり、一つの「が」事実文からたくさんの「は」説明文が生まれます。
その際注意しなければならないのは、「が/を」は「は」に変わりますが、その他の格助詞「に/と/で/から/まで/へ」は、「+は(例:には/とは…)」の形になることです。
< 事実・現象文 >
昨日、新宿で私が父にプレゼントを買った。
< 説明・解説文 >
→私は、昨日新宿で父にプレゼントを買った。 (主語の取り立て)
→プレゼントは、昨日新宿で私が父に買った。 (直接目的語の取り立て)
→昨日は、新宿で私が父にプレゼントを買った。(時の取り立て)
→新宿では、昨日私が父にプレゼントを買った。(場所の取り立て)
→父には、昨日新宿で私がプレゼントを買った。(間接目的語の取り立て)
一般に、眼前の現象を描写したり、相手が知らない未知の情報を伝えたり、相手に新しい内容を提示するときは「主語+が」となります。
(眼前の現象描写)
ほら見て。富士山が見えるわ。
(相手に新提示する内容)
誰も行ける人がいなければ、私が行きます。
現象文の会話例
A :今夜は、星がきれいだねえ。
B :ええ、ほんとう。ほら、あそこに北極星が光っているわ。
会話や文章などでは、読者が知らない事実をまず「が」で知らせ、その後は「は」で説明に入るのが原則で、これを未知情報の「が」、既知情報の「は」という学者がいます。
日本語駆けこみ寺により