2009-03-11 00:18:05Akizora

形容詞「よい」和「いい」如何不同?

「よい」は形容詞(イ形容詞)として規則的に活用しますが、「いい」は基本的に連体形・終止形でしか用いられ

ません。方言によっては「いくない」、「いかった」などのような形でも用いるものもみられますが、共通語ではその

ような形では用いられません。つまり「いい」は連体修飾と言い切り専用の形容詞と言えます。

ただし、日本語を教えることを考慮した場合は、「いい」を単独の形容詞と見るよりも次のように「よい」の連体形お

よび終止形の異形態と考えたほうがわかりやすいかもしれません。

未然連用終止連体仮定命令
よかろよかっ
よく
よい
いい
よい
いい
よけれ

では「いい」が連体形・終止形として用いられる場合は「よい」と全く同じと考えてよいでしょうか。まず、「いい」

「よい」が単独で用いられる場合、実質的な意味の上では差はありませんが、使用の傾向として「よい」は主に書

き言葉に用いられ、話し言葉では「いい」が用いられると言えます。書き言葉でも「よい」は「いい」に比べ、より

格式ばった印象を与えます。

また、「いい加減」、「いい歳して……」、「あの人だけにいい顔をする」など「いい」に名詞が付いて固定

(慣用的)な表現となっているものについては原則として「よい」を用いません(なお、これらは漢字では「良い」

ではなく「好い」があてられる傾向があります)。逆に「心地よい/心地いい」「気持ちよい/気持ちいい」など、

「いい/よい」が後接するものは両方とも用いることが可能な傾向が見られます。

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