【詩譯情箋】竹久夢二詩作二十首
(圖為實業之日本社《星期天》的封面。竹久夢二(1884-1934)以繪畫聞名於世,同時還留下許多詩作。大正二年(1913)出版的首部詩集《星期天》,題名源自荷蘭語「zondag」(星期天之意),裝禎由畫家恩地孝四郎(1891-1955)操刀,插畫則由夢二親自繪製。性質上雖屬詩集,實為附插畫的小曲集。換言之,收錄的不是當時的新體詩或自由詩,而是七五調小曲形式的詩。因用字淺顯,易於吟誦,當中有不少在後來被譜曲傳唱。夢二採小曲形式的別緻詩作,也被視為近代日本歌謠的先驅)
【作者簡介】
竹久夢二(1884-1934),明治至昭和前期的畫家、詩人。岡山縣人。本名茂次郎。明治三十八年(1905)自早稻田實業學校畢業後,在報刊雜誌上發表插畫與詩,開始受到注目。插畫之外又擅美人畫,筆下女性身材纖細、明眸大眼、表情哀愁,帶有強烈獨特的風格,被稱為「夢二式」。此類畫作與〈宵待草〉等抒情詩作,在當時風靡無數青年男女。昭和六年至八年(1931-1933)遊歷歐美,歸國後因肺結核病逝。代表作有畫集《春之卷》、《夏之卷》與詩畫集《星期天》。
[一個人]
等人可不好受
讓人等也不好受
但是沒讓人等也沒等人
一個人的我該如何是好。
[ひとり]
人をまつ身はつらいもの
またれてあるはなほつらし
されどまたれもまちもせず
ひとりある身はなんとせう。
[流水]
流水的心情
人不知
我的心情
你不知。
流水是水 你是你。
[ゆく水]
ゆく水のこゝろ
ひとはしらなく
わがこゝろ
きみしらなくに。
ゆく水は水 君は君。
[十字架]
“神懲罰他
把一位女性的手
給了我”
啊,
我背著的
白色十字架。
我背著的柔軟十字架。
大家來看唷。
我背著的美麗十字架。
[十字架]
“神は彼を罰して
一人の女性の手に
わたし給へり”
ああ、
わが負へる
白き十字架。
わが負へる柔き十字架。
人も見よ。
わが負へる美しき十字架。
[接吻]
「是我的錯吧」
「不不,現在
身心都屬於你了」
淚水止歇時
那人這麼對我說。
[接吻]
「過なりや」
「いな/\いまは
身も霊もきみがものなり」
涙のひまに
ひとのいふ。
[真實]
過去和未來
都是已忘卻的白日夢。
唯有今晚
與你相伴
才是真實。
[真実]
すぎし時もきたる日も
わすれたる昼の夢なれや。
ただ今宵
君とともにあるこそ
真実なり。
[傍晚]
沒先講好
也沒知會
鐘就響了。
沒先講好
也沒知會
淚就流了。
[くれがた]
約束もせず
知らせもなしに
鐘が鳴る。
約束もせず
知らせもなしに
涙が出る。
[襪子]
用白色毛線
為你
織一雙
襪子吧。
襪子
如果破掉了
用紅色毛線
修補吧。
但是
在遠行的夜晚
你的心
如果破掉了
我
該如何修補。
[靴下]
あなたのための
靴下を
白い毛糸で
編みませう。
もし靴下が
やぶけたら
赤い毛糸で
つぎませう。
けれども
遠い旅の夜に
あなたの心が
破れたら
あたしは
どうしてつぎませう。
[綠色窗戶]
為了你
開窗
為了你
關窗
在綠色房間的
桌子上
插一朵
藍色的花吧。
為了你
開窗
為了你
關窗
在綠色窗戶的
向陽處
養一隻
藍色小鳥吧。
為了不讓
幸福來得太快
為了不讓
幸福走得太急
我們
一起等候吧。
[みどりの窓]
あなたのために
窓をあけ
あなたのために
窓をとぢ
みどりの部屋の
卓のへに
青い花を
さしませう。
あなたのために
窓をあけ
あなたのために
窓をとぢ
みどりの窓の
日あたりに
青い小鳥を
かひませう。
あんまりはやく
幸福がきて
あんまりはやく
幸福がゆかぬやうに
私達は
待ちませう。
[鐘]
不知道
鐘不響的
日子
是幸福嗎。
知道的這天
是幸福嗎。
撥了也不響的
鐘
不如
先不要
撥它。
[鐘]
鳴らない鐘の
あることを
知らずにゐた日が
しあはせか。
知つたこの日が
しあはせか。
引けども
鳴らぬ鐘ならば
いつそ
引かずに
おいたもの。
[你的心]
你的心
像鳥一樣
朝向無邊無際的
藍天
一去不復返
既然是鳥
為了留在
我身旁
就把你放進
小銀籠吧。
[あなたの心]
あなたの心は
鳥のやう
涯のしれない
青空を
ゆきてかへらぬ
鳥ならば
私の傍へ
おくために
銀の小籠に
入れませう。
[友情]
單純來做朋友一起玩吧
希望不要超越朋友的界線
不這樣的話
離別時可不好受。
[友情]
たゞお友達になつてあそびませうね
お友達の垣根を越えないやうに
さうでないと
別れる時が辛いから。
[敲門]
今天
仍然
敲我房門的
是誰呢。
昨天也來過
但沒開門
是皇后派來的使者嗎
或者
是藍色小鳥的話
要開門
還是不開呢
萬一
是惡魔的使者
……還是先不開吧。
[ノツク]
けふも
私の室の戸を
ノツクするのは
誰だらう。
きのふもきたが
開けなんだ
城の后の御使か
それとも
青い小鳥なら
開けて呼ばうか
あけまいか
もしや悪魔の
使なら
……やはりあけずにおきませう。
[手]
右手
寫的信
左手
並不知道。
右手
與他人相握
左手
也不知道。
但是
左手手指上的戒指
有什麼用意
右手
是知道的。
[手]
右の手が
書いた手紙を
左の手は
知らない。
右の手が
握手したのも
左の手は
知らない。
だが
左の手の指の指環が
何を意味したか
右の手は
知つてゐる。
[初吻]
五月
花兒綻放
但它們
並非去年的花。
人
談過幾次戀愛
但初吻
只有一次。
[最初のキッス]
五月に
花は咲くけれど
それは
去年の花ではない。
人は
いくたびこひしても
最初のキッスは
いちどきり。
[戀愛]
有時,是歡喜的。
有時,是悲傷的。
現在,
則是十字架。
[恋]
ある時は、歓びなりき。
ある時は、悲みなりき。
いまは、
十字架。
[遺忘的手套]
那是星光閃耀
五月的夜晚。
藍色手套
遺忘在伊甸園的長椅上。
以前天空好美麗。
以前的人好優雅。
可是,那已是過去的事了。
那時候,插在帽子上的
(象徵幸福的)
藍花
早已枯萎發黑。
年輕的女孩
你們之中
倘若 有人發現我的藍色手套
請告訴我。
[忘れた手套]
それは星の降るような
五月の宵のことだつた。
エデンの園の長椅子に
青い手套を忘れてきた。
むかしも空はうつくしかつた。
むかしの人もやさしかつた。
だが、もうむかしのことだ。
あの時、帽子にさした
(幸せのしるし)である
青い花はもう
枯れて黒ずんでしまつた。
若い娘さんたち
あなたがたのなかで
もしや わたしの青い手套を
見つけた人があつたら言つて下さい。
[春天的腳步聲]
不知何處
響起白球的彈跳聲
不知何時
春天靜悄悄來了
春天來到鄰室
好像
有什麼開心事似的
春天敲了敲我
[春のあしおと]
どこかしら
白いぼうるのはずむおと
いつかしら
足音もない春が来た
隣の室へ春が来た
なにかしら
うれしいことがあるやうに
春がわたしをのつくする
[不動]
從那天起
就一直停住
不動的
時鐘的指針與悲傷
[動かぬもの]
その日から
とまつたままで
動かない
時計の針と悲しみと
[遙遠的戀人]
Yes和No都沒寫
在九月一日早上寄出的信
是給你的最後一封信。
行蹤不明的我是旅人。
和那天一樣
你已遠去。
連生死都無從得知
遙遠的戀人。
如今要把Yes和No傳達給你
都沒辦法了。
[遠い恋人]
イエスともノーとも書かないで
九月一日の朝出した手紙が
貴方への最後の手紙。
行方も知らぬ私は旅人。
その日のままに
貴方は遠い。
生き死にさえも知るよしもない
遠い恋人。
イエスともノーとも
今はいいやるすべもなく。
[信]
那是用紅墨水寫的信
那是寄給我的信
那是不讓任何人看見的信
那是讀完就撕破的信
但是
那是不想撕破的信
[手紙]
赤いインクの手紙です
あたしへあてた手紙です
誰にも見せない手紙です
よんだらやぶく手紙です
でも
やぶきたくない手紙です
〈ひとり〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁18。
〈ゆく水〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁23。
〈十字架〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁33。
〈接吻〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁39。
〈真実〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁40。
〈くれがた〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁152。
〈靴下〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁153。
〈みどりの窓〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁163、164。
〈鐘〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁168。
〈あなたの心〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁170。
〈友情〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁171。
〈ノツク〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁172。
〈手〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁197。
〈最初のキッス〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第2巻 詩集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁203。
〈恋〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第4巻 詩文集 2》(東京:日本図書センター,1993),頁194。
〈忘れた手套〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第5巻 詩文集 3》(東京:日本図書センター,1993),頁143。
〈春のあしおと〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第5巻 詩文集 3》(東京:日本図書センター,1993),頁184。
〈動かぬもの〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第5巻 詩文集 3》(東京:日本図書センター,1993),頁211。
〈遠い恋人〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第5巻 詩文集 3》(東京:日本図書センター,1993),頁213。
〈手紙〉,譯自:万田務監修、竹久夢二著,《竹久夢二文学館 第6巻 詩文集 4》(東京:日本図書センター,1993),頁39。
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