2004-01-17 16:53:58楠舞

野原夢物語~  op

開いた窓から、風になびくすすきの音が聞こえてくる。

目の前のおばちゃんは、しわくちゃな指を気用に

動かしながら編み物をしていた。

左手の薬指には、小さな白い石のついた指輪が光っている。

あたしわその隣で、クレパスで名前お変え書いていた。

『で-きた!おばちゃん、めてみて!!』

得意そうに、いるんな色で汙れた画用紙をおばちゃんの目の前に差し出す。

『どれどれ…』

おばちゃんが丸いメガネの位置を直しながら、それをじっと見てくれた。