2005-07-31 22:29:33京都旅人

生きがい

  
生き甲斐とはこの世界に生きる価値を指す。人々にどんな目的で生きているのかと聞いてみれば、答えは人によって違うに違いない。立派な人間になりたいという思いを持っている人がいれば、さあ、分からないという人もきっといるであろう。我々はちゃんと何のためにという目的を持って生きて行くべきか、それとも何の目的もないまま、生きていてもよいであろうか。
確かにやりたい事をやって、食べたい物を食べて、目的なんて、なくても平気で、自分の好きなようにしてもいいじゃないという享楽主義的な考えが世の中にある。しかし、しっかり考えると、自分の人生がこのままで終わると、なんだか勿体無いという感じが生じるのではないだろうか。
 2003年は、立法院の副院長である江丙坤さんの演説を拝聴した機会があった。その演説では「私はもともと鉄道局で働いているしがない事務員でした。どうしても日本へ留学したいので日本政府の奨学金試験を受けて合格した。しかし、合格しても、お父さんに「もし君が日本へ行ったら、我が家の家計にはどうなるか?」と心配され留学に反対された。にもかかわらず、江さんは留学に行くと決意して、日本へ行った。毎日アルバイトしながら、学校に通って、そしてバイトでもらったお金は台湾の家に仕送っていた。「もし、日本へ行かなかったら、現在の私はない」と江さんが真剣に話していた。この素晴らしい演説を聴いて私は涙が溢れるほど感動した。
 人生は一回しかない。何十年もの時間は長いと言えば長いが、短いといえば短い。この限られた時間があっという間に過ぎてしまう。この時間を大切にし、ちゃんと自分のことを考えれば、知らず知らず、生きがいが自然に浮かぶのではないかと私は思っている。江さんのストーリが我々に何の反省を与えてくれるのかというと、我々はしっかり夢を持って、それを叶えるように一歩一歩歩くべきではなかろうか。