2014-08-22 10:38:11sheuhrio

深田祐介さんと

日本人が好む言葉の一つに『以心伝心』がある。
「心をもって,心に伝える」
ということになるが、元々は仏教説話に出てくる成語。
言葉を介せず、師の心から弟子に直接、思いが伝えられることを意味する。

この7月に亡くなられた直木賞作家の深田祐介さんと
外人タレントの草分け的存在であるイーデス?ハンソンさんのと対談が
以前、「週刊文春」に連載されていた。
1970年代のことだった。
その中に、アメリカ社会には「以心伝心はあるのか?」
という質問を深田氏がしている箇所があった。

その質問に対して、ハンソンさんの答えとしては、
「アメリカ社会は、日本社会とは、かなり違う。
日本のような長い残業はアメリカにはなく、
上司に対して媚びへつらうような態度は微塵(みじん)もない。」
と表現している。
ところが、そのあと言葉を続けて、
「会社での残業はないが、優秀なビジネスマンは、
家に持ち帰ったりして、知らぬうちに仕事をやりこなしている。
上司に対しても、まったく気遣いしていないように見える。
むしろ、緊張を与えないように、笑いを入れたり、さりげなく気遣いを心がけている。
優秀な人同士は、それでわかりあえる。」と表現していた。

日本社会は、ワザとらしく、
気遣っていることを見せて以心伝心としているところがある。

『以心伝心』は、本来、こんな風に誰にも気づかれることなく、
「むむっ、おぬし、出来るな?」
と、お互い心の中でつぶやき合う世界と言えそうだ。

フカフカになっ 言葉が通じたか 物静かにたた 建造物や美術品 きっと人間 な小包みが 輪廻転生 なにがどう良くて そして家を離れるとき コスモスを植える