2004-07-07 22:54:11Eric Chen
【短篇小說日翻中】職業病
短篇小說【職業病】
作者:高田昌彥
備註:翻譯共享,若侵害到貴出版社的著作翻譯權,請留言告知,站長將會儘速刪除。
【職業病】
山口君は薬のセールスマンだ。病院へ薬を売り込むに行くのが仕事だ。医者に頭を下げ、自社製品の優れた点を訴え、何とか買ってもらわなくてはならない。競争が激しく、ストレスが多く、楽な仕事ではない。
五年前に二流の私立大学の経済学部を卒業したとき、銀行とか商社とかいろいろ受けたけど、受かったのは今の製薬会社だけだった。初任給が割りと高ったのと、不況に強い業界だと聞かされて、この仕事をやってみる気になった。
山口君は、薬のセールスマンになったことを後悔していた。仕事のコツが分かってくると、業績も上がってきたし、金回りもよくなって、それなりに充実感を感じ始めていたのだが、自分の体質がこの仕事に向いていないことが分かったからだ。
最初にその徴候が出たのは、入社一年目に、新しい睡眠薬が発売されたときだ。寝つきの良さには自信があった山口君が、不眠症になってしまった。この薬をどのように売ろうか、日夜真剣に悩んだためだろうと思う。その睡眠薬を毎晩飲んで、寝苦しい思いをしながら眠りについたものだ。
次は胃潰瘍の薬の発売のときだった。どんなに暴飲暴食しても腹痛ひとつ起こしたことがない、頑丈な胃袋を持っているはずなのに、山口君は胃潰瘍になってしまったのだ。仕事上のストレスが原因だろうと理解し、その新製品をせっせと飲んだ。
因果関係に気がついたのは、一年前に発売した、毛生え薬のときだ。山口君この薬の売り上げは社内で群を抜いて高く、特別の報奨金をもらった。ついに自分は一流のセールスマンになったと自信に満ちていたとき、山口君は円形脱毛症になってしまった。
三ヶ月前に水虫の薬が発売されたときは、まさかと思っていたが、皮膚科医院をせっせと回って売り上げが上昇し始めた頃、足の指の間が猛烈に痒くなり、皮が剥け始めたのだ。水虫だった。
自分には、発売した薬の効能書にある体質があるのだ、と愕然と認めた。売れさえすればいいのだと、適当に嘘も交えて誇大に振れ回った罰かもしれない。そんなにいい薬なら、お前の体で試してみろと、神様が仕向けているように思えた。
この体質を自覚してから、山口は次にどんな薬が出るのかを非常に気にするようになった。上司は、それを山口君の仕事に対する熱意と受け取って、会社の上層部から特別に情報を仕入れてくれた。
『喜べ、今度は抗癌剤のいいのが出るらしいぞ。肺癌に効くらしい。これが出れば、君の売り上げは二倍になるぞ。その次は精神安定剤だそうだが、こっちは大した売りは期待できないだろうな。』
その翌日から、山口君は変な咳が出るようになった。今までのは大した病気ではなかったが、肺癌では助からない。早速親しい医者に検査をしてもらったが、異常は出なかった。まだ発売されていないから発病していないが、自分が売り始めれば、肺癌になることは決定的のように思えた。
山口君は退職した。しかし会社を辞めた後も、変な咳は止まらず、日ごとに胸が苦しくなってきた。いくつかの病院で精密検査を受けた。異常ないと言われても、自分が肺癌に罹りつつあることは間違いないと直感した。癌専門の病院で何度目かの検診を受けたとき、医者がうんざりしたように言った。
『癌ノイローゼですよ。最近、あんたみたいな人が結構多いんです。これ飲みなさい。新しく出た精神安定剤です。ノイローゼによく効くんですよ。』
山口君はその薬を見て、びっくりした。自分が勤務していた会社の新製品だった。抗癌剤より先に、精神安定剤が発売されたのだ。それで自分は癌ではなく、ノイローゼに罹ったのだ、と納得した。
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【職業病】
山口是一家藥品公司的銷售業務員,工作是將藥品銷售到醫院中,常常必須向醫生低聲下氣地介紹公司藥品的優點,想盡辦法讓醫院能夠買進公司的藥品。由於競爭非常激烈,工作壓力十分之大,可說是件不輕鬆的工作。
山口五年前從二流私立大學的經濟學系畢業後,報考了銀行和許多企業的入社考試,但最後被入取的公司只有目前任職的這家公司。由於起薪頗高,加上聽說這家藥品公司在這不景氣的業界當中算是數一數二的公司,因此想說就從事這份工作看看。
成為銷售業務員後,山口開始後悔這個決定。雖然掌握了工作的竅門,業績不斷的上昇,收入也越來越高,工作也很充實,但是自己的體質卻不適合這個職業。
最初的徵兆是進公司的第一年,公司開始銷售新的安眠藥時,原本很容易入睡的山口突然開始失眠。山口覺得或許是自己日夜苦思該如何銷售這個新藥,煩惱過度所致,因此每個失眠的夜晚,山口都會喝下公司的安眠藥,之後才能逐漸入睡。
接下來是公司開始銷售胃潰瘍的藥品時,原本無論怎麼暴飲暴食都不會胃痛,自認擁有一副鐵胃的山口竟然罹患胃潰瘍。山口心想應該是工作壓力過大所致,因此開始拼命地飲用這個藥品。
會發現到這似乎有某種因果關係存在,是在一年前公司開始銷售生髮劑的時候。山口的新藥銷售額是當時公司內最高的,公司甚至還頒給山口特別的紅利獎金,就在山口自信滿滿地認為自己是頂尖的銷售業務員時,山口卻患了圓形脫毛症。
三個月前銷售香港腳的新藥時,心想該不會這麼巧吧?但隨著業績的攀升,山口的腳指卻莫名地激烈狠癢起來,甚至開始脫皮,去醫院檢查後才發現是得了香港腳。
最後山口做出了一個連自己都會愕然的結論,『自己擁有只要販賣什麼藥,就會隨之得到那種病體質』!為了能夠將藥品賣出,適當的誇大藥品的效能是必須的,但或許是誇大過度造成神罰吧?既然這藥這麼有效,就以你自己的身體來做試驗吧!
做出結論後,山口對於公司下一次會推出何種新藥非常的在意,於是私底下向上司打聽。上司覺得山口對於工作非常的有幹勁,於是透過管道幫山口從公司高層那裡取得了情報。
『真是可喜阿!聽說這次的新藥是有效抑制癌症的抗癌藥劑呢!對於肺癌的抑制似乎效果非常的好。這個藥品一推出,相信以你的能力,業績至少可以提高兩倍以上!然後下一次的是精神安定劑,這個似乎就沒什麼值得期待的吧?』
隔天開始,山口突然莫名地咳嗽起來,雖然不是什麼重大的病,但山口心想該不會是肺癌的前兆吧?火速到醫院讓醫生檢查,身體並沒有任何的異常。或許是因為公司還沒有推出這款新藥,所以還沒發病吧?只要自己開始銷售的話,就會慢慢罹患肺癌吧?
於是,山口離職了。但即使離職了,咳嗽卻沒有因此消失,反而隨著日子的增加胸口逐漸鬱悶起來。雖然好幾次到醫院接受精密的檢查都沒有發現任何的異常,但山口直覺自己一定逐漸地罹患肺癌中。
到專門的醫院做了幾次癌症的精密檢查後,醫生終於不耐煩地對山口說:『你得的是神經衰弱症啦!最近像你這種自以為罹患癌症的人越來越多了!來!喝下這個藥劑,這是最近剛推出的精神安定劑,對於神經衰弱非常的有效!』
山口看到醫生拿出的藥劑後,非常吃驚。這不是公司推出來的新藥品麼?原來比起抗癌藥品,精神安定劑先行推出了?那這麼說,自己罹患的真的不是肺癌,而是神經衰弱症?
作者:高田昌彥
備註:翻譯共享,若侵害到貴出版社的著作翻譯權,請留言告知,站長將會儘速刪除。
【職業病】
山口君は薬のセールスマンだ。病院へ薬を売り込むに行くのが仕事だ。医者に頭を下げ、自社製品の優れた点を訴え、何とか買ってもらわなくてはならない。競争が激しく、ストレスが多く、楽な仕事ではない。
五年前に二流の私立大学の経済学部を卒業したとき、銀行とか商社とかいろいろ受けたけど、受かったのは今の製薬会社だけだった。初任給が割りと高ったのと、不況に強い業界だと聞かされて、この仕事をやってみる気になった。
山口君は、薬のセールスマンになったことを後悔していた。仕事のコツが分かってくると、業績も上がってきたし、金回りもよくなって、それなりに充実感を感じ始めていたのだが、自分の体質がこの仕事に向いていないことが分かったからだ。
最初にその徴候が出たのは、入社一年目に、新しい睡眠薬が発売されたときだ。寝つきの良さには自信があった山口君が、不眠症になってしまった。この薬をどのように売ろうか、日夜真剣に悩んだためだろうと思う。その睡眠薬を毎晩飲んで、寝苦しい思いをしながら眠りについたものだ。
次は胃潰瘍の薬の発売のときだった。どんなに暴飲暴食しても腹痛ひとつ起こしたことがない、頑丈な胃袋を持っているはずなのに、山口君は胃潰瘍になってしまったのだ。仕事上のストレスが原因だろうと理解し、その新製品をせっせと飲んだ。
因果関係に気がついたのは、一年前に発売した、毛生え薬のときだ。山口君この薬の売り上げは社内で群を抜いて高く、特別の報奨金をもらった。ついに自分は一流のセールスマンになったと自信に満ちていたとき、山口君は円形脱毛症になってしまった。
三ヶ月前に水虫の薬が発売されたときは、まさかと思っていたが、皮膚科医院をせっせと回って売り上げが上昇し始めた頃、足の指の間が猛烈に痒くなり、皮が剥け始めたのだ。水虫だった。
自分には、発売した薬の効能書にある体質があるのだ、と愕然と認めた。売れさえすればいいのだと、適当に嘘も交えて誇大に振れ回った罰かもしれない。そんなにいい薬なら、お前の体で試してみろと、神様が仕向けているように思えた。
この体質を自覚してから、山口は次にどんな薬が出るのかを非常に気にするようになった。上司は、それを山口君の仕事に対する熱意と受け取って、会社の上層部から特別に情報を仕入れてくれた。
『喜べ、今度は抗癌剤のいいのが出るらしいぞ。肺癌に効くらしい。これが出れば、君の売り上げは二倍になるぞ。その次は精神安定剤だそうだが、こっちは大した売りは期待できないだろうな。』
その翌日から、山口君は変な咳が出るようになった。今までのは大した病気ではなかったが、肺癌では助からない。早速親しい医者に検査をしてもらったが、異常は出なかった。まだ発売されていないから発病していないが、自分が売り始めれば、肺癌になることは決定的のように思えた。
山口君は退職した。しかし会社を辞めた後も、変な咳は止まらず、日ごとに胸が苦しくなってきた。いくつかの病院で精密検査を受けた。異常ないと言われても、自分が肺癌に罹りつつあることは間違いないと直感した。癌専門の病院で何度目かの検診を受けたとき、医者がうんざりしたように言った。
『癌ノイローゼですよ。最近、あんたみたいな人が結構多いんです。これ飲みなさい。新しく出た精神安定剤です。ノイローゼによく効くんですよ。』
山口君はその薬を見て、びっくりした。自分が勤務していた会社の新製品だった。抗癌剤より先に、精神安定剤が発売されたのだ。それで自分は癌ではなく、ノイローゼに罹ったのだ、と納得した。
=========================================================================
【職業病】
山口是一家藥品公司的銷售業務員,工作是將藥品銷售到醫院中,常常必須向醫生低聲下氣地介紹公司藥品的優點,想盡辦法讓醫院能夠買進公司的藥品。由於競爭非常激烈,工作壓力十分之大,可說是件不輕鬆的工作。
山口五年前從二流私立大學的經濟學系畢業後,報考了銀行和許多企業的入社考試,但最後被入取的公司只有目前任職的這家公司。由於起薪頗高,加上聽說這家藥品公司在這不景氣的業界當中算是數一數二的公司,因此想說就從事這份工作看看。
成為銷售業務員後,山口開始後悔這個決定。雖然掌握了工作的竅門,業績不斷的上昇,收入也越來越高,工作也很充實,但是自己的體質卻不適合這個職業。
最初的徵兆是進公司的第一年,公司開始銷售新的安眠藥時,原本很容易入睡的山口突然開始失眠。山口覺得或許是自己日夜苦思該如何銷售這個新藥,煩惱過度所致,因此每個失眠的夜晚,山口都會喝下公司的安眠藥,之後才能逐漸入睡。
接下來是公司開始銷售胃潰瘍的藥品時,原本無論怎麼暴飲暴食都不會胃痛,自認擁有一副鐵胃的山口竟然罹患胃潰瘍。山口心想應該是工作壓力過大所致,因此開始拼命地飲用這個藥品。
會發現到這似乎有某種因果關係存在,是在一年前公司開始銷售生髮劑的時候。山口的新藥銷售額是當時公司內最高的,公司甚至還頒給山口特別的紅利獎金,就在山口自信滿滿地認為自己是頂尖的銷售業務員時,山口卻患了圓形脫毛症。
三個月前銷售香港腳的新藥時,心想該不會這麼巧吧?但隨著業績的攀升,山口的腳指卻莫名地激烈狠癢起來,甚至開始脫皮,去醫院檢查後才發現是得了香港腳。
最後山口做出了一個連自己都會愕然的結論,『自己擁有只要販賣什麼藥,就會隨之得到那種病體質』!為了能夠將藥品賣出,適當的誇大藥品的效能是必須的,但或許是誇大過度造成神罰吧?既然這藥這麼有效,就以你自己的身體來做試驗吧!
做出結論後,山口對於公司下一次會推出何種新藥非常的在意,於是私底下向上司打聽。上司覺得山口對於工作非常的有幹勁,於是透過管道幫山口從公司高層那裡取得了情報。
『真是可喜阿!聽說這次的新藥是有效抑制癌症的抗癌藥劑呢!對於肺癌的抑制似乎效果非常的好。這個藥品一推出,相信以你的能力,業績至少可以提高兩倍以上!然後下一次的是精神安定劑,這個似乎就沒什麼值得期待的吧?』
隔天開始,山口突然莫名地咳嗽起來,雖然不是什麼重大的病,但山口心想該不會是肺癌的前兆吧?火速到醫院讓醫生檢查,身體並沒有任何的異常。或許是因為公司還沒有推出這款新藥,所以還沒發病吧?只要自己開始銷售的話,就會慢慢罹患肺癌吧?
於是,山口離職了。但即使離職了,咳嗽卻沒有因此消失,反而隨著日子的增加胸口逐漸鬱悶起來。雖然好幾次到醫院接受精密的檢查都沒有發現任何的異常,但山口直覺自己一定逐漸地罹患肺癌中。
到專門的醫院做了幾次癌症的精密檢查後,醫生終於不耐煩地對山口說:『你得的是神經衰弱症啦!最近像你這種自以為罹患癌症的人越來越多了!來!喝下這個藥劑,這是最近剛推出的精神安定劑,對於神經衰弱非常的有效!』
山口看到醫生拿出的藥劑後,非常吃驚。這不是公司推出來的新藥品麼?原來比起抗癌藥品,精神安定劑先行推出了?那這麼說,自己罹患的真的不是肺癌,而是神經衰弱症?