2005-08-07 14:24:47☞豬油飯☞

闇之聲 ---伊藤潤二

圖: 闇之聲封面 我的上面沒標明是限制級阿!



翻譯有點低能把其中的一個故事的大意整個翻錯
所以我把那段刪掉了 真是混淆視聽@@




伊藤潤二『陰暗之聲』朝日有聲雜誌 2003年

收錄『NEMUKI』刊載的7篇短篇集。

  讀完這本書,我在想「伊藤的風格是不是稍微變了?」或是「他是不是開始想要變了?」,從之前的幾個作品來看……並不是完全沒有這類的風格出現啦,這種風格……應該稱之為「哀愁」。(?)

例如「第三話 轟音」據說是由30年前某個山裡發生的災難「幻影」改編而來的,也只有伊藤可以有這樣的奇想吧,伊藤讓故事中,因為那個災難而延長壽命的老人,為了要幫助死去的妻子,而在幻影的洪水中被吞噬,這樣結局,真的是很賺人熱淚。

又例如「第六話 自縛者」,這是伊藤擅長的「不合理的恐怖」。有一種「奇病」蔓延開來了,這種奇病,會讓人突然在某個地方,暫停不能動。伊藤透過女主角的眼睛,用第一人稱的方法去解開「為何人會突然的自縛?」這謎團,在解開「真相」曲折離奇的過程中(這一段寫的非常優秀),巧妙的與女主角黑暗的過去相結合,展開這讓人不太能開心的故事。

另一方面,以前的「 伊藤世界」也還存在。「第一話 吸血之闇」,描寫了一個陷入攝食障礙(厭食症)的少女的奇異經驗,吸血蝙蝠「運送血」的奇妙經過。「第二話 黃金時間的幽靈」,一個運用超能力,硬逗客人笑的相聲演員登場,是個由「滑稽」和「恐怖」交織而成的作品。「第四話 妖怪房間之謎」,成為「恐怖的雙一系列」之一,奇妙的黑色幽默,是視覺系的衝擊與奇異共存的作品。

讓人感到生理性厭惡的「第五話 甘油酯-油-」。從哥哥的臉湧出的「脂肪」的景色,特別讓拿著書的讀者們感到無比的噁心。說不定是對『NEMUKI』佔大多數讀者層的年輕人讀者,或是有潔癖的讀者,比對我這個叔叔一樣的人來說,更具一層「可怕」的意義的作品。作者不合理的停筆,與令人有龐大的衝擊的畫面,在這個作品中完整的呈現。

2003/09/27

【日文書評原文】

伊藤潤二『闇の声』朝日ソノラマ 2003年

『ネムキ』掲載の7編を収録した短編集です。

 本集を読んで,「あれ,この作者,少し変わった?」あるいは「変わりはじめた?」と思ったのは,わたしだけでしょうか? というのも,これまでまったく無かったというわけではないものの,あまり表面に出ることのなかったトーンが,本集の作品のいくつかに見られることです。そのトーンとは「哀愁」とでも呼ぶべきものでしょうか。

 たとえば「第3話 轟音」は,山中で30年前に起きた災害の「幻影」を見るという,この作者ならでは奇想にもとづくエピソードですが,ラストにおいて,その災害を生き延びた老人が,死んだ妻を「助ける」ために,幻影の洪水に飲み込まれていくところや,主人公の青年と,老人,そして災害との関わりを匂わせるエンディングなど,しっとりとした余韻を残す作品となっています。

 また「第6話 自縛者」は,ある日突然,生きた人間が何日も何日も,同じ場所で同じポーズをとり続ける「奇病」が蔓延するといった,やはりこの作者お得意の「不条理系ホラー」的オープニングです。主人公の少女の目を通して,「なぜ人はひとつの場所に自縛されるのか?」というミステリが提示され,その「真相」解明に巧みにツイストがかけられるとともに(このへんの描写は秀逸),主人公の暗い過去と結びついて,ビターでやるせないラストへと展開していきます。

 そして「第7話 死刑囚の呼鈴」。家族を暴走族によって惨殺された兄妹,彼らの元に,毎夜,死刑判決を受けた犯人の生き霊が訪れるという内容です。「許しを乞う」と言いながらも,結果的には兄妹を狂気の淵へと追いやる生き霊の不気味さがメインに描かれたエピソードですが,驚いたの幕の引き方。以前のこの作者の傾向からすれば,絶望的なまでに不条理な結末を予想させるのですが,本編では,むしろ「肩すかし」とさえ呼べそうなエンディング。しかし,ラスト・カットを絶妙のアングルで描き出すことで,どこか「奇妙な味」を交えた静謐な雰囲気を醸し出していますす。

 これまで,圧倒的なまでの迫力をたたえた独特の絵柄でもって,さまざまな狂気や怪異,不条理を描いてきた作者ですが,ここへ来て,それら狂気・怪異・不条理の背後にある哀しみややりきれなさといった部分を,的確に描き込んでいくように変化してきたのかもしれません。そんなことを思わせる作品集です。

 ですが,その一方で,従来の「伊藤ワールド」もまた健在です。摂食障害に陥った少女が経験する怪異を描いた「第1話 血をすする闇」では,吸血コウモリが「血を運ぶ」という奇想と,血の雨の中を走る主人公を1ページ大で描いたラスト・シーンのシュールさが光っています。また「第2話 ゴールデンタイムの幽霊」は,一種の超能力で,客を無理矢理笑わせるという奇怪な漫才師が登場する,「お笑い」と「ホラー」というミス・マッチが楽しい作品です。「第4話 お化け屋敷の謎」は,「恐怖の双一シリーズ」に通じる,奇妙なブラック・ユーモアと,視覚的なインパクトを持ったグロテスクさが同居したエピソードとなっています。

 そして極めつけは,生理的な嫌悪感・不快感を前面に押し出した「第5話 グリセリド-あぶら-」でしょう。とくに兄の顔から噴き出る「脂」のシーンは,思わず本を持つ手を離したくなるような気色の悪さです。おそらく『ネムキ』の読者層で多くを占めるであろう若い方々-つまりニキビに敏感で,より潔癖な若い方々にとっては,わたしのようなおじさんよりも,もっと切実で,ある意味「怖い」作品と言えるかもしれません。不条理なストーリィと,絵柄によるショッキング性といった点で,この作者の作風が顕著に現れているエピソードでしょう。

03/09/27