2011-03-20 23:38:15雪子

為什麼已婚女人這麼急著要證明自己的存在價值?

地震が起こる何週間か前のある日、何かの調べ物をしていてベネッセのウィメンズパークの掲示板が眼に留まりました。ある人が、「朝ごはんを作らない主婦がいるっていったいどういうことですか?家事もきちんとしない主婦なんて、そんな人は存在価値がないんじゃないですか?」といった問題提起をし、それに対して賛否両論多数の意見が寄せられていました。

はっきりと覚えていませんが、10数年前にもある女性ライターが「専業主婦は家畜と同じ」といった主張をする本を出し、大議論を巻き起こしたことがあった記憶があります。

こういう議論は生産的ではないし、読んでも気分が悪くなるだけだとわかっているのに、やっぱり一通り眼を通してしまいます。そして、読み終えたあとに、やはりとても不愉快になり、時間を浪費したことを後悔するのです。

ほんわかした雰囲気(良い意味で)のベビカムに比べると、ウィメンズパークはいかにも「子どものときに進研ゼミやってました」「子どものときから大学(短大)卒業までまじめに言われるとおりこつこつ勉強してきました」といった雰囲気の人が議論に参加しているという印象を持ちます(弁護士や医師など超エリートのワーキングマザーが集まっているムギ畑とはまた違った雰囲気ですが。麦畑ほどエリートっぽさは漂っていません。)

私を暗澹とした気持ちにさせるのは、そういうまじめで、子どものころから「良い子」だったような女性たちが、数十年前から同じような議論を繰り返し、専業主婦と兼業主婦の間の対立を煽るばかりで、突破口を見出せないということです。

なぜこのような対立が起こるのか、なぜ専業主婦が大量に生まれたのか、なぜワーキングマザーはこれほど過酷な負担を強いられるのか、なぜ専業主婦と兼業主婦はお互いに馬鹿にしあったり、憎みあったりしなければならないのか、なぜ専業主婦は愚昧で、存在価値がないと思われるのか…こういった問題を個人の選択の結果、個人の能力の問題として、自分と異なる立場にいる人を非難しても何の意味もないのです。ちょっと外国に眼を向けてみればわかるように、上記のような問題が生じるのは、日本社会の制度設計によるものであって、各個人は、限られた選択肢の中から、自分を生き延びさせるためにもっとも適した生活様式を選択しているに過ぎないのです。

だからといって、私は日本でよく眼にする「個性を大切に」「自分らしければそれでいい」「個人の選択が尊重されるべき」という意見を支持しているわけではありません。このような意見は耳障りが良いですが、結果的には制度設計の欠陥によってもたらされた問題を「個性」「自分らしさ」とすりかえられてしまう恐れがあるからです。上記の専業主婦と兼業主婦の論争を見れば、多くの人がその罠にはまっていることがすぐにわかります。

とはいうものの、私は「今私たちが抱えている問題はすべて政府の制度設計に問題があるからだ。責任者出て来い!!!」という態度を採ることを奨励しているわけではありません。この「責任者出て来い」と威張り散らすのは、マスコミがはやらせた日本独特の病気です。台湾のように、政府や公務員がまったく信頼できない社会、システムが国民をまったく守ってくれない社会では、こういう発言をする人は存在しません。そんなことしても意味がないからです。

専業主婦を「存在価値のない者」と考えワーキングマザーになる人、自分の存在価値を証明するために家をぴかぴかに磨き上げ、子どものお受験に熱を上げる人…どちらも一番大切なのは「自分の存在価値を証明すること」だとしたら、一見対立していても、同じ穴の狢に過ぎないでしょう。本当は自分の存在価値を証明するためにやっているのに、「お母さんはあなたのためにこんなにがんばっているのに」なんて言われたら、私がその母親の子どもだったら、100パーセントグレますね(今でも十分グレてますけど!)。子どもはそういうウソにはとても敏感に反応するものです。(外国人など社会的弱者もそういうウソには敏感です。)

正直なところ、私も博士課程に留学はしたものの、現在は3ヶ月のこどもを抱えて家に閉じこもっているので、「安定した社会的地位を獲得したい」「学位を取りたい」「自由にあちこち調査に行きたい」「もっと本をたくさん読みたい」という思いはあります。年も年だし、「このまま何事もなさず終わってしまうのかしら」という焦りと軽い絶望感はあります。

でも、その一方で「もし私自身が何事もなしえないのなら、せめて私の周囲の才能ある人たちを励まし、その人たちが気持ちよく仕事ができるように応援しよう」とも思うようになりました。周囲の人が快適に過ごせること、余すことなく力を発揮できるよう環境を整えてあげること…私の存在価値を証明する手段にはなりませんが、できることはあるだろうと思うのです。

 

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