20111025‧3年ぶり日越友好音楽祭 ニッポン文化 普及に着実な一歩
【http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111022/ent11102207530007-n2.htm】
MSN産経ニュース -
歌手で俳優の杉良太郎(66)が発起人となってベトナム・ハノイで3年ぶりに「日越友好音楽祭」が9日、開催された。杉に賛同した倖田來未(くみ)(28)、EXILE、w-inds.、AAA、AKB48、伍代夏子(49)が出演。全員が「紅白経験者」という豪華メンバーは、日越文化交流で大きな役割を演じた。
市内中心地にある建立100周年を迎えたオペラハウス。約600人と満員になった会場は、日本のコンサート会場と同じように叫び声が飛び交い、熱気を帯びていた。オープニングにはAKB48が登場、さらにw-inds.、EXILE…。2時間半の熱演は大盛況に終わった。
「まずは成功かな」とは提唱者の杉。「ベトナムの一般家庭では日本の音楽は流れていない。韓国、中国の歌ばかり。今回“生”でベトナム全土のお茶の間に中継されることで日本を知ってもらえれば…」。倖田は「ホテルのテレビで歌番組を見ていたら、日本の歌が一曲もないのが寂しかった」。地元の人に聞いても、日本の歌手名を挙げる人はほぼ皆無だった。
K-POPや台湾、香港系の音楽は海外進出という国策に加え、著作権管理が緩いこともあってアジアを席巻している。倖田は社会主義国家ではあまり例を見ないあえて露出度の高い衣装で臨み、「エロ格好良くアピールできたと思います」。ニッポン音楽の普及に、まさに“裸の覚悟”でぶつかっていた。
世界不況下にあって、ベトナムは2000~10年の平均経済成長率が7・26%(外務省発表、11年9月現在)と高い。日本は最大の援助国でODA供与規模は09年は1456億円にも及び、両国間交流は大きく飛躍しているが、文化分野は後れをとっている。
杉の個人的なベトナム支援は22年間にもわたり、これまで数億円の私財を投じ、日本語学校を当地に設立、多くの養子縁組もしている。しかし、やはり芸能という本業での文化事業で真の交流を夢見る。「日本のいい文化、音楽を届けたい。今回をきっかけに、また次につなげるように頑張りたいね」
日越音楽交流、まだ始まったばかりだが、着実な一歩を踏み出したようだ。(清水満)