学年でのけ者にさ
「彼を選んだ女子は他にもいましたが、ここからは私の判断で彼の隣は彼女に決定です。」
先生の一言で、私の隣は何の緊張もなしに決まってしまいました。
『知りたい、他に僕を選んだ女子の名前を知りたい。』
『なんで、僕だけ???。』
本当は、彼女が私を選んだ理由をすぐに判っていました。
それどころか、私を選ぶだろうと確信していたのです。
そして、先生が彼女の隣を私に決めた事も。
その通りになりました。
彼女は、今で言ういじめられっ子で、クラス、いや、学年でのけ者にされていた子だったのです。
皆に気持ち悪いとかブスとか言われていました。
確かに、笑い方も少し薄気味悪さを漂わせている子です。
私は差別が大嫌いでいつも普通に接していました。
たぶん、クラスの男子では私だけだったと思います。
私は、その事を分っていてのこの采配は先生の思惑通りだとすぐに感じ取りました。
いじめられっ子で友達のいない彼女の為に、先生の考えた事だと。
クラスの男子だけじゃなく女子にもに言われてしまいました。
「やさしすぎると損するなぁ。」
「良かったじぁない。慕われて。」
私は、彼女に悪いことをしてしまいました。
クラスの席替えが終わるまでの30分あまりの間、彼女に傷つく事を言ったり、つねったりしてしまったのです。
私も馬鹿にされるんじゃないかと恐れたのかもしれません。
それとも他に私のことを好きな子の名前が判らなかった事に腹を立てていたのかもしれません。
何も言い返さず、耐えているその子に気付き私は、その後、自分の行動を反省しました。
ただ詫びると、余計に親しく近づいてくる気がして謝る事は出来なかったのです。
この子は、私に気を使ってか、それとも憎んでか、私に自分から話しかける事はまったく無くなりました。
約一年後、この子は女の子として屈辱的な最悪のいじめに合ってしまいます。
何も感じなく 線が特徴かな 幸福花開的春天 あの適度な緊張感 言葉は別離 笑顔が可愛 漢字で玉響と書 もう赤土の窓はない 美化傾向を 感心する部分