2020-09-21 19:31:26Dona

33みずほの国-子どものための日本小百科

4月28日

 予定の通り、最後1枚のトラベラーズチェックを換金すれば、もうすぐ帰国の日になる。

 午後、学校の近くにあるみずほ銀行で、換金の手続きを待っている間に、新聞棚に置いてある《みずほの国‧子どものための日本小百科》という本に目を引かれた。開いてみると、大好きな美しいカラー写真が満載してあったほか、分かりやすい文章で日本の歴史や自然、文化、産業などを紹介した本だった。また、内容の漢字がすべてルビ付きというのは何より素晴らしくて、日本語がまだ小学生のレベルのような私にとって、楽に読めるものだ。何だかぶらぶらと散策している途中で、何か宝物に出会ったような気がした。(笑)

 手続きが終わって、銀行員さんに聞いてみると、その本は2002年みずほホールディングスの誕生記念に発行されたものなので、銀行では売っていないということだった。でも、「表紙の裏面に書いてある発行元の小学館は、ここから近い神保町駅の近くにある。あそこに行って聞いてみたら」という情報をその親切な銀行員さんからもらった。それで、小学館へ行ってみることにした。

 しかし、目的地までの実際の距離があまり長くないのに、心のなかで「かなりの道のりがある」と思った。「日本の住所が本当に分かりにくいな」と心の中でこぼしながら、小学館のビルを探した。何人かのお店の人、また歩行者に聞いてみたら、「よく分からないけど」、「すみません」などの返事をもらったのだ。一瞬、自分は迷路に踏み込んでしまったのかという思いもした(戸惑いの涙)。でも「諦めの早い人間になっちゃダメ!」と思ったので、落ち着いてその周りを何回も回って、ようやく神保町ビルを見つけた(嬉しい涙)。

 事務所に入って、ショートヘアの女性が応対してくれた。しかし、彼女の話では、その本はかまくら春秋社が企画、編集で作られたもので、小学館の展示棚には見本の一冊しかないということだった。でも、彼女から「電話で聞いてみたら、それとも鎌倉にある出版社に行って購入したら」というアドバイスをもらった。「鎌倉?!」「明後日は帰国の予定ですが‧‧‧」「では‧‧‧では‧‧‧では、お忙しいところ、お邪魔しました。どうもすみません。」と言った私は後ろを振り返って事務所を出た。(残念な涙)

 ところが、エレベーターに入ろうとしているところに、後ろからさっきの女性に呼び止められた。「その時、私のがっかりした気持ちが後ろ姿に寂しく表れたのかな?」。それから、彼女は「本当にこの本が欲しいなら、あげます。」と言って、その一冊しかない見本を渡してくれた。ただでその本がもらえた私は驚きすぎて、一瞬、口に何の言葉も出せなかった。はっとして、頭を下げてお礼をした。「どうもありがとう」って何回言ったか自分でも覚えていないのだ(笑)。

 ビルを出てお礼にケーキなどを買おうと思ったが、なかなかケーキ屋さんなどが見付からなかった。空も暗くなってきたし、道に迷うのも怖かったから、その小百科の本を抱いて、何のお礼もしないままで、電車に乗って帰宅してしまった。

 お母さんにこのことを話して、お母さんは「すごいじゃん!気持ちを相手にちゃんと伝えたから、ただでこの本がもらえたのよ。」と言った。そして、「私もこの本が欲しいな」とも言った。(笑)

 でも、その時、驚きすぎて頭が真っ白な馬鹿になってしまった。また、相手の名前さえ聞き忘れたため、改めてお礼を送ろうにも送れない状態になってしまった。「はあぁ」、もっと大人らしくすればよかったのに、もっと落ち着くべきだったのに‧‧‧‧

哈默德 2021-02-16 16:00:55

祝幸福安康~~
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