2月22日

　台湾の家族、特にうちの心配性なお母さんを安心させるため、毎日ホームステイ先へ帰る前に、駅前の電話で用意してきたプリペイドカードで電話するようにしている。

　今日も相変わらずそうしたけど、お母さんとの会話を二番目の兄に遮られてしまった。「僕が！僕が！」受話器から兄の大声が聞こえた。兄は「日本交流協会からの書留が届いたよ」「日本語能力認定書と合否結果通知書入ってる」と言った。ぼんやり聴いていた私はそこへ注意力を取り戻し、「えっ？なに？なに？合格って、ウソだろう？」と疑いながら聞き返した。そして、「ウソ！じゃ、何点？」と言ったら、兄は声を荒げて「信じられないなら、今帰ってきて確認したら」と言った。（大変！大変！気性のいい兄を怒らせてしまったのだ。）「それは無理、航空券も高いし」（私の心の声）。電話を切った後、初めての試験に意外にも合格できて嬉しいなと思った。

　去年１２月の受験の後、留学の準備で忙しかったから、試験のことはすっかり忘れていた。そこへ、予定の３月より早めに合格の通知が届いて、意外だなと思った。心が躍り、ホストファミリー先へ向かい、軽い足取で走っていた。急いで試験結果をお母さんに報告したら、「実は、おととい私も資格試験の合格発表をもらったの」とお母さんは嬉しそうに話した。それで、お祝いのため、夕食は二人で寿司屋さんへ行くことにした。

　新宿にある寿司屋さんで、せっかくのチャンスで、店に入ると、いつもテレビグルメ番組で見るように、寿司職人が寿司を握っているのを初めて見た。お母さんに奢ってもらって嬉しかった。